ネコと赤い風の大冒険!?・くえすと2



買い物を終えた一人と一匹は役人から手配された宿に案内された。そこは外装は非常に古典的な古い和風アパート
のようなつくりで、宿泊室は一階に二部屋、二階に一部屋の非常に小さなものであった
。小高い丘の上に立てられたその宿はひときわ高い位置にある

一人と一匹は二階の一つ部屋に案内された、そこはいわゆる和室で、座敷になっており小さなソファと小型テレビ、冷蔵庫などがある六畳ほどの部屋であった。大きな窓からは屋根の上にでられるようだ

Albino-Cat->うにゃうにゃ、、、、(うーん、古きよき日本の住宅設計にゃ
地中海の赤い風->うむ、良い眺めだな。だがしかし、今日は疲れたな

赤い風が窓の外を見ると、市街地とは反対側を一望できた。もう夕暮れ時でフェンスに張り巡らされた川の対岸から
川の水場にかけてが夕日に真っ赤に染まっている、時計を見ると午後5時を指している。

地中海の赤い風->もうこんな時間か
Albino-Cat->うにゃ〜(そうにゃね〜、、、あ、7時から役所の皆さんが祝賀会って言っておしかけてくるみたいにゃよ(
地中海の赤い風->そうなのか……まだ完全に解決していないのに気楽なものだな
Albino-Cat->にゃははは☆にゃんにゃにゃ(まぁ、そうでもしないとやってられないにゃね、、こんなハードな仕事は、、、あと二時間あるけど、、、、それまで昼寝でもするかにゃ?
地中海の赤い風->そうだなぁ、寝るか
Albino-Cat->うにゃ、、、?(・・・一緒に寝てもいいにゃ?
地中海の赤い風->あぁ構わないよ

布団を一枚座敷に敷き、そこに赤い風が寝転んだ。すると猫は赤い風の胸元に顔を埋めて一緒に眠りに落ちた。


血と火薬の混じった不快な臭いがする、私が目を開けるとそこは戦場だった……そんな、戦争は終わった筈なのに、また…人を殺さないといけないのか?…私の背後には今二人いる、この気配から察するに味方ではないようだ。こんな世の中で生きて行く事よりも私は……


猫はこの世ならざる場所を何かから逃れるように走っていた。血のような不気味な赤褐色の空に、それに相まって赤土が蓄えられた乾燥した大地が広がっており、幾何学的な造詣の奇岩怪石が遠方に連なっている。猫は足を緩めようとはしない。ここはどこなんだ。前にも見たことがある様な気がする。自分でもわからないぐらい、遠い過去に・・・・。


その悪夢をかき消すように、赤い風の頭に声が響いた。

役人「おい、あんちゃん! おきなよ、来てやったぜ!!」
地中海の赤い風->…ん…あぁ、すまんな

見ると、昨日作業に参加したうち四人の役人が、勝手に酒瓶やら寿司やら弁当やらを座敷に広げている。そして全員例外なく笑顔で赤い風を見ている。

ニット帽の男(ナイトウ)「私は作業のときよく話しているから覚えてるな。こいつはアダチ、こっちのちっこいのがイシイ、そしてヤナギバだ」
男集「うぃーーーっす!」
地中海の赤い風->みなさん、ありがとう
アダチ「いやははははッ! こっちもあんたが来てくれたおかげで助かったよ! おかげで谷に落ちた彼も無事で住んだし、ホント赤い風サマサマだよ!」
イシイ「ホーントだよなー! ところで赤い風さん、あんた国はどこだい?」
地中海の赤い風->嬉しい事を、私の生まれか?私は小さな島国の生まれだ、多分誰も知らないような
ヤナギバ「アハハハ、島国っちゃあこの集落も島みたいなもんよ〜。ほれほれ、あんちゃんも一杯飲めや!(といっておちょこに醸造酒を注ぐ」
地中海の赤い風->ありがたく頂くよおっとっと
イシイ「ところで、昨日死んだ二人は・・・・」
アダチ「バカっ! こういう席でそういう話はすんなよなー!(と言って殴る)」
ヤナギバ「(赤い風に注ぎながら)そうだぞおまえー。ごめんなさいね、、、変な話しちゃって・・・・」
地中海の赤い風->いやいい、ところでその二人の墓は?
アダチ「ああ、家族の希望で火葬して川に流すことにしたよ」
イシイ「あぁ、オレも最終的に身を修めるならやっぱりここがいいや」
地中海の赤い風->そうか…彼らの分まで頑張らなくてはな
アダチ「そうそう、、、俺達が守ってきた土地だもんな・・・、ガキの頃からのダチだったし」
アダチ「って、しんみりさせちまいやがったな、スマン(苦笑)」
地中海の赤い風->いいさ、忘れろとは言わないがまぁ今日は飲もう
ナイトウ「へへッ、そうこなくっちゃ!(赤い風の肩を組んで) 今日は寿司が入ったよー、寿司ィー!! たんとくえや!!」
地中海の赤い風->もちろん、なぁネコさん
アダチ「そうそう、酒もまだまだあるし!」
ナイトウ「ありゃま。。。。そっちのネコちゃんは飲む前からもう泥酔かい? タハハハハ」
ネコはナイトウが揺すっても起きる様子がない。よほど疲れているようだ。
イシイ「14番、イシイ・ナガハルうたいまーーす!!」
ヤナギバ「ばーか、ひっこめオンチ!!」
地中海の赤い風->ハハハッ、いやぁこんなに騒ぐのは久しぶりだよ
ガードレールの錆びについた水滴.....幼き日々を君と想う♪
自転車で抜けた坂道.....ずっと離れててわからなくて.....

アダチ「楽しんでくれているようでうれしい! さぁ、もっとのめのめのめ!!!」
遠い土地に旅立ったその日今も覚えてる♪
坂道で、ハンドル切りながら.....♪

地中海の赤い風->あぁ!!飲むぞ〜俺は〜!
化学工場の煙突見えるこの場所で.....だからいつかまた帰るこの場所で....♪
二人でまた思い出作ろう.....さぁ、一緒に帰ろーぉーッ♪

ヤナギバ「いぇーい、オンチィーーー!!」
地中海の赤い風->ほぅ、結構上手いじゃないか。いよっ大統領!
イシイ「ハハハ、次はあんただよ赤い風さん!」

(全員拍手が巻き起こる)

地中海の赤い風->そうか、ならとっておきのアレでも歌うか
パンッ!パンッ!パンッ!!(手拍子)
いのち短し 恋せよ乙女♪
イシイ「いよッ!」
紅き唇 あせぬ間に♪
熱き血潮の 冷えぬ間に
明日の月日は ないものを♪

パンッパンッ!
いのち短し 恋せよ乙女♪
ゼンイン「いぇーーーーい!!」
いざ手をとりて かの舟に♪
いざ燃ゆる頬を 君が頬に♪


アダチが赤い風の肩を組んでリズムを付け出した

ここには誰も 来ぬものを♪

いのち短し 恋せよ乙女♪
全員「ホーイホーイホーイホォォーーーイ!!」
黒髪の色 あせぬ間に♪
今日はふたたび 来ぬものを♪

アダチが赤い風の片手をとり、上に上げてwinnerのポーズをとらせた

全員「ウワァァーーーーー!!!」
イシイ「赤い風ちゃんもう最高!」
アダチ「おいおいおいおいどうするよーーーー!!」
地中海の赤い風->ありがとう、やはり歌はいいなぁ!!

その後アンコールが続き、皆フラフラになるまで宴は続いた。



とりあえず続く