壱ノ刻 初日 18時26分38秒 廃島 浜辺
赤い風->「う…む、どこだここは……ッッ!!海が…赤い!?私は…夢を夢を見ているのか?」
目を開けると、仰向けになった赤い風の目に黒い空が飛び込んできた。辺りを見回すと青い筈の海が血のような赤い海が広がっていた。さらに回りを見て見るとすぐそばに誰かがいる
赤い風->「…君は?」
yuu->「yuuって、いいます。すごいでしょ、その海。」
あいかわらず赤い海が砂浜にうちあげられており、その水には魚類の生息している気配を見せない。無機質かつ忌々しい光景だ
赤い風->「私は赤い風だ、どうなっているんだ?」
yuu->「僕、廃墟探索しにこの島に来たんですけど・・・・。」
それにあいまって、空は恰も夜であるかの如く漆黒に包まれていたが、それは明らかに夜の暗さではなく、空間ごとその場から奪われたような「虚」の言葉に相応しかった。
yuu->「ついた途端、地震があって、この様です。」
赤い風->「そうか、私は……何故こんなところに居るのだろうか。思い出せない」
yuu->「まったく、覚えてないんですか?」
赤い風->「あぁ、だがこの赤い海に見覚えがあるような気がするのだがな…」
いきなり、二人の男の頭に瞬間的に映像がすべり込んできた
赤い風->「ぬぅ何だこれは」
yuu->「頭痛い・・・。」
暗い工場に似た空間で、ドラム缶に詰められた不気味に蠢く人のようで・・・明らかに人ではない何か
どこかの森林。恐怖にかられ、半自動小銃を乱射する旧米軍の兵士達。彼等が対峙していたのは・・・・・
そして、ここと似た景色。誰かが誰かと逃げている
目を開けると、彼等はお互いの顔を驚いた表情で見ていた
赤い風->「ッなんなんだ今のは?」
yuu->「なんだろ、今の・・・。幻覚にしては、リアルだな・・・。」
赤い風->「…君にも見えたのか?」
yuu->「って、あなたも今の見たんですか!?」
赤い風->「普通二人が同じ幻覚を見ることなどまずありえない、ということは…今のは誰かの視界を垣間見てたのか?」
yuu->「あの景色、この島のみたいでしたね・・・・。」
赤い風->「この近くに誰かいるのか?」
yuu->「でも、なんでこんな廃墟の島に?」
赤い風->「案外君と同じ目的できたのではないか?」
yuu->「でも、軍人みたいな人もいましたよ・・・・・・。」
赤い風->「…何かありそうだな」
二人が瞬きをした瞬間。林の中から砂浜に立っている二人の人間を見ている何かの視界が入り込んできた
赤い風->「くっまたか」
yuu->「まただ〜・・・・・、え、でもこれ・・・・・。」
赤い風->「この視界に映っているは私たちだな、と言う事は誰かに見られてるのか?」
yuu->「なんか、息荒い・・・・。」
すると、その林に隠れていた人間の視界はさっと向きを変え、海岸とは反対に走り出した
yuu->「いったい何がお赤い風->「何だ!?」
海岸から激しい音が聞こえる。それは流れ着いたゴムボートであった。人影がみえる
スグル->「ここは・・・?あ、あの〜・・・」
二人はゴムボートに人が乗っている事に気付き、振りむいた
赤い風->「誰だ!」
yuu.->「だ、誰!?」
スグル->「!!いえ、怪しい者では・・・」
yuu.->「えっと、ライトライト・・・。」
赤い風->「無いのか?なら私のを貸そう」(4Dセルの中型マグライトを手渡す)
yuu.->「すいません、助かります。荷物無くしちゃったみたいで・・・。」
スグル->(つд゜)「眩しい・・・」
赤い風->「…君は?」
まぶしそうに若い男が身を曲げた。男の持ってきたゴムボートには折れた2本のオールに救命胴衣、防水のツールボックスが置いてあった
スグル->「俺は・・・スグルという名前です。ここには、友達と探検できたんですけど、何故か途中で気を失い、きづいたらここにいて、あ、そうだ!俺のツレ見ませんでした?一緒にいたんですが・・・」
yuu.->「えっと、僕yuuっていいます。よろしくね、スグル君」
赤い風->「私は赤い風だ、ツレとはさっきのヤツか?」
スグル->「・・・どこにいったんだろう・・・」
yuu.->「どうなんだろ・・・・。」
スグル->「いえ、今気づいたら、いなかったんで・・・向こうに行ったんですか?ちょっとみてきます」
赤い風->「私も行こう、君はどうするかね?」
yuu.->「一人は、危なそうだから一緒に行きます。・・・。」
赤い風->「そうか、なら行くか」
風が吹き、ゴムボートが流されそうになっている。相変わらず気味の悪い空だ
スグル->「助かります、じゃあ、こっちに行ったんですよね?」
yuu.->「さっきのが、正しかったらそうです。」
スグル->「あいつ・・・まったく人騒がせなやつだ・・・こんな時間までいたら、かぁちゃんに怒られちまう・・・」
赤い風->「なんだか空気が…おかしくないか?」
スグル->「?何言ってるんです?」
赤い風->「まるで戦場にいるかのような…嫌な空気だ」
yuu.->「ちょ、ちょっと!脅かさないでくださいよ。」
スグル->「とりあえず、あいつ見つけて早く帰らないと・・・ん?なんだあれ?」
赤い風->「…まぁいい、ん?どうした?」
yuu.->「え、なに?」
スグル->「なんか・・・あそこに光ってる物が・・・」
そう言って、草むら手前を指差す
yuu.->「なんか、あった?」
赤い風->「…」
見ると、小銃の弾頭のようなものが叢の上に落ちていた
スグル->「これ・・・銃弾・・・!!?」
yuu.->「・・・・・!?さっきの、幻覚でたしかこんなの見たような・・・。」
スグル->「・・・しかもまだ暖かい・・・こんなとこで誰かがぶっ放したていうのか?まさか・・・」
赤い風->「…使われて間もないようだな、この島で何が起こったというのだ?」
スグル->「モデルガンじゃない?」そういって拾い上げる
yuu.->「はぁ・・・・、なんかヤバイかも。」
スグルが拾い上げた弾丸には後部に拉げた跡がついていた
スグル->「これ・・・本物・・・!」
赤い風->「そのようだな、しかしこの弾丸自体は…古いぞ」
弾頭をコーティングしている銅が緑青を起こしており明らかに年月経ったかのように見えたものの、それは今さっき撃ったように硝煙の匂いをかすかに残してもいた
スグル->「な、なんだよ、ここ・・・」
その時スグルの後ろから、人影が現れた
スグル->「うわっ」
赤い風->「誰だ!!」
スグル->「なんだこいつ・・・血だらけ・・・?!!」
その不気味な人影は手に包丁を持っていた・・・
yuu.->「イヤだ、なんだよ・・・。」
赤い風->「(そうだ、そうだったな)……逃げるぞ、急げ」
男はいきなり包丁を振りかざしてきた
スグル->「うわっ痛ってぇ!!」
yuu.->「スグル君!!はやく!!」
赤い風->「早くしろ!」
走り出した赤い風は、地面に落ちていた小さな箱にけつまづいて転びそうになった。その反動で、中に入っていたものが地面に転がった。
スグル->「っ痛・・・これ・・・?」
yuu.->「何!?どうした?」
血だらけの男「ごぞ・・・・・・アギャギャギャギャァァアアアアーー、ヘヘヘヘヘぇぇ!!」
赤い風の足元に、赤い何かが転がった。それは船に積まれている緊急用の信号弾銃であった
スグル->「これ、使えそうじゃねぇか?」
赤い風->「あぁ、これは使えるな」
そういうと赤い風は信号弾銃を手に取る。
yuu.->「赤い風さん、どうするんですかそれ!?」
刹那、赤い風のすぐ後ろに血だらけの男が覆いかぶさってこようとした
赤い風->「ふっ遅い!…無論、こうする!!」無表情で血だらけの男に打ち込む
赤い風の放った弾丸は眩い光を放ちながら、血だらけの男の顔を直撃し、男はそのまま3メートル程後ろに吹き飛び動かなくなった
スグル->「うわ・・・死んじゃった・・・やばくない?・・・」
赤い風->「いや、まだ生きている、所詮時間稼ぎにしかならんさ。今のうちに逃げるぞ」
地面には箱の中身がまだ転がっていた。信号弾銃の弾が6発に、小型の懐中電灯。そしてサバイバルナイフであった
yuu.->「(なんか、赤い風さんやけに詳しい・・・。)」
赤い風->「ほう、これは使えるな。ん?どうした?」
yuu.->「え、あ、いえなんでも無いです・・・。さっきのがすごかったから・・・。」
スグル->「生きているって・・・普通死ぬだろ?」
赤い風->「今は詳しい事は言えない、安全な場所に避難してからな」
赤い風がyuuの方を一瞬振り返った瞬間。yuuの頭に映像が再び刷り込まれた。大きな野戦テントのようなものの中で誰かが誰かと口論している、、、片方は赤い風のようにも見えた・・・・
yuu.->「(え・・・・、なにこれ・・・、赤い風さん・・・・?)」
赤い風->「どうした、本当に大丈夫か?」
スグルの足に何か硬いものが当たった。80センチ程の鉄パイプであった。船のパーツにもみえる
yuu.->「だ、大丈夫です。(今は、言わない方がいいかも・・。)」
スグル->「これ・・・武器になりそうだけど・・・あんなに人間を殴ってもいいのかな?いくら襲ってくるとはいえ・・・」
赤い風->「構わん、やつらは決して死ぬ事はないからな」
スグル->「・・・人間じゃないってこと?」
赤い風->「一言で言えば”元”人間だ」
yuu.->「え、どう言うことですか?」
スグル->「(・・・どうなってんだ?夢なのかこれって・・・)」そう思い頬をつねる
赤い風->「…まぁここまでくればしばらくは安全かな」
ふと、先程の血だらけの男が身を起こそうとしているのが見えた。間違いなくさっきので致命傷を負ったはずなのに…そして、あたりを見回しているようだ
スグル->「ふ〜・・・」
スグルは安心して目を瞑る、普通は闇が視界を支配する筈なのに、そこに見えるのはこの島のどこかの他人の視界であった。
スグル->「な!これは!?」
赤い風->「隠れろ」
yuu.->「え、あ、はい・・・・。」
スグル->「ちょっと待って・・・目を瞑ったら、何か映像が見えるんだけど・・・」
赤い風->「…やはり見えるか」
スグル->「・・・これっていったい何なんですか・・・??」
yuu.->「自分のじゃ無いんですよね・・・。」
赤い風->「それは、幻視と呼ばれる能力で他人の視界を盗み見る事が出来る」
yuu.->「なんで知ってるんですか!?」
スグル->「・・・そうなんだ・・・(なんだこいつ・・・)」
赤い風->「……それより武器は持っているか?」
スグル->「え?あ、ああ俺は鉄パイプを一応持ってるけど」
yuu.->「(誤魔化された・・・?)僕も何か見つけないと。」
スグル->「・・・あの、yuuさん?」(小声で)
yuu.->「?」
スグル->「あいつ・・・なんか変じゃありません?」赤い風を指差して、小声で
yuu.->「やっぱり、そう思う?僕もさっきからオカシイなって・・・。」
赤い風->「どうした?」
スグル->「・・・いや、なんでも・・・」
赤い風->「…まぁいい、武器を持ってないのならこれを渡そう(サバイバルナイフを渡す)いいか、あいつらが襲ってきたらためらわずに反撃するんだ。ん?この音は…ヘリか?」
すると、空から機械的な音が響いてきた。血だらけの男の視界の中で、一機のヘリコプターが空を旋回しているのが見えた。自分達の耳でも音だけはは聞こえていた
スグル->「(あの得体の知らないやつらよりも同じ人間を疑った方がいいかもな・・・」
yuu.->「(ふ〜、びびった〜)あ、はい使わせてもらいます。 え、救助隊ですかね?」
スグル->「!!まじで?」
赤い風->「しかしここからじゃ音だけしか聞こえない。移動するか」
スグル->「・・・」
また別の視界が入り込んできた。ヘリの内部のようである。パイロットらしき男が座席から此方を向き、話しかけている。視界の人物は照準機のついた自動小銃を持っているようである
スグル->「なんだろう・・・」
赤い風->「この様子だと人間のようだな」
」
パイロット「本部の命令だ。生存者は皆殺せと」
yuu.->「(なんで、救助に武器がいるの・・・・?
スグル->「いま、・・・聞こえた!?」
赤い風->「少なくとも助けてはくれなそうだな」
スグル->「・・・とりあえず、逃げよう!!」
今度はパイロットの視点のようだ。小銃を持った男と口論になったようだ
スグル->「あいつの視界をジャックして見つからない様にした方がよさそうだぞ」
スグル->「・・・ん?」
赤い風->「どうした?」
yuu.->「なんでだよ・・・・。」
赤い風->「…知ってはいけない事でも知ってしまったんじゃないのか?」
スグル->「なにか口論になってるみたい・・・」
yuu.->「どうしたんだろ。」
小銃を持った人間はアルビノであり真っ白であった、ゴーグルを頭に嵌めており女のような顔をしている。
男「何が絡んでいるんだ!? 貴様らはどうかしているぞ。!!」
いきなり、パイロットが拳銃を小銃を持った男に向けた。驚いた男は、銃を奪おうとしてパイロットに飛び掛った。その瞬間、機体が大きく揺れた
頭の上で激しく風を切るような音がし、失速したヘリコプターが空を掠めていった
yuu.->「あのままじゃ、墜落しちゃうよ!?」
爆音が聞こえた。ヘリが墜落したようだ。島の中心からのようだ。
赤い風->「…ぬぅ、ごそごそ(持ち物を探る)あった(小型通信機を取る)」
yuu.->「(何だあれ・・・・。)」
赤い風->「私だ、予定…『閣下…そ…は』…まだ…のか?…は…そうか…の準備…わかった、では」
通信OFF
yuu.->「・・・・・・・・・・。」
スグル->「おれ・・・やっぱりツレが気になるから探しに行ってくる。皆にはすぐ追いつくから」
そういって急いで走って、スグルは林の奥に行ってしまった・・・
赤い風->「単独行動は命取りだぞ…ん?これか、今は知る必要はない」
yuu.->「・・・・・はぁ・・・。」
ピーピーピー(着信音)
赤い風->「どうした、ふむ、ふむ、あぁわかった。では」
赤い風->「君はここで待っていてくれ、一応これを持っておくといい(閃光弾7個を渡す)気をつけろよ」
yuu.->「・・・赤い風さん、戻ってきてくださいよ・・・・。」
赤い風->「もちろんだ、30分ほどで戻る」
同行していた友人を探していたスグルだが、もう先程から30分以上も歩いている筈なのに、林の中の明らかに同じ場所へと戻ってきてしまった
あたりは暗闇に包まれ、彼は手にしている懐中電灯の使用を余儀なくされた。そして、懐中電灯に照らされた暗闇に一人の人間の姿を見かけた。それは先刻分かれたはずのyuuであった
スグル->「yuu!どうしたんだ?・・・良かった。まだ息はある」
yuu->「・・・・ん? あれ?ここ」
スグル->「どうしたんだ!?何があった?赤い風は!?」
yuu->「スグル君・・・?」
スグル->「あいつはどうしたんだ・・・?」
yuu->「赤い風さんなら、一人で・・・。」
スグル->「・・・あいつ、何考えてるんだよ・・・!」
赤い風->「…呼んだか?」
赤い風が無表情で闇から姿を現した。
yuu->「ひっ!!?・・・・・・。」
スグル->「うわっ!!な、なんだよお前・・・どっから現れた!・・・」
yuu->「赤い風さん・・・・・、よかった。」
赤い風->「yuuに30分で戻るといった筈だ。それにろくな装備もせず単独行動とはいい度胸だな」
スグル->「なんだと・・・」
yuu->「ちょ、ちょっと、まって。」
スグル->「お前だって武器も持ってないyuuを置いてったろ!」
赤い風->「何を言っている、私は武器を渡したぞ?なぁyuuよ」
yuu->「え、あ、はい。うまく使えるかわからないけど・・・・。」
スグル->「・・・ちっ、それならいいんだけど・・・悪かったな」
赤い風->「こっちも挑発的な態度を取っていたからな、私にも非がある」
yuu->「・・・・・ふぅ」
赤い風->「……で、どうする?」
yuu->「あ、そういえばスグル君。友達は?」
スグル->「・・・死んでた」
yuu->「ご、ごめん・・・・。」
スグル->「何かにやられた後があった・・・あいつが持ってた帽子に血がついてたんだ・・・生きていることはもう絶望的だよ・・・でも、なぜかあいつは居なかった・・・」
赤い風->「なら……時間の問題か」小声で
スグル->「でも、あの血の量は半端じゃなかったんだ」
yuu->「・・・・・・・・・・・。」
スグル->「・・・俺がこんなとこ行こうなんて言ったから・・・くそっ!」
赤い風->「悲しみに浸っている時間はない。今はここから脱出する事が最優先事項だ」
スグル->「・・・・・・・・ああ。確かにそうだな・・・」
yuu->「・・・・・・・!?ちょっとまってよ!!」
赤い風->「どうした?」
yuu->「その帽子どこにあったの?」
スグル->「奥の林だ・・・」
yuu->「・・・・・もしかして、ほかにも・・・・・いる?」
すると彼らの会話を掻き消すように、それぞれの耳に奇妙な音が響いてきた。
赤い風->「これは……」
それは、虫の羽音にもよく似ているものの明らかにそれよりも巨大な何かが羽ばたいている音であった。それは彼らの左右から無尽蔵に聞こえてきた。
スグル->「・・・・・・これは虫・・・?」
yuu->「な、なんですか?」
赤い風->「……まさか、ヤツか」
スグル->「ヤツ?」
彼等の頭にまた何かの映像が刷り込まれてきた。自分達よりも高い場所から何かが空に浮きながら、こちらを見ている・・・。
yuu->「え・・・・?なんのこと?」
赤い風->「幻視をすればわかる、多分あれの仲間だろう…」
スグル->「うわっ!!痛ぇ!!!」
yuu->(・・・・・・、なんで空なんだ!!?)
スグル->「・・・く、肩が・・・」
赤い風->「来たか、ヤツは銃を持っている。早く隠れるんだ!」
彼等が自分らを取り囲んでいる何かの視線を探った、その視線の持ち主がいきなり何かを自分達に向けた。それは黒光りする拳銃だった。
スグル->「でも、上からだと、隠れようがないぞ!!・・・く・・・まじ、痛ぇ・・・」
yuu->「え、ちょっと・・・・・、冗談だろ・・・・。」
赤い風->「身をかがめるだけでも弾は当たりにくくなる。しゃがむんだ」
スグルの肩から血が流れている。上に居るいずれかに発砲されたのだろう。
スグル->「くっそぉ・・・」
yuu->「ひっ!?・・・・」
スグル->「よくもやったなぁ・・・」
間髪いれず、まるで短機関銃をうっているかのような銃声の連鎖が続き、彼等のかがんでいる地面をえぐった。
明らかに一体二体からの射撃ではなく、それよりも大勢居るようである。
赤い風->「なっ、短銃だと!?致し方ない。yuuよ、閃光弾を貸せ!」
yuu->「あ、は、はい!!」
赤い風->「これでッッ!!」空に向けて閃光弾を放つ
スグル->それと同時に石を投げた
スグルが投げた石が頭上に居る何かに命中し、非人間的な悲鳴が轟いたが、それは明らかに姿勢を崩しただけでいまだにホバリングを続けていた。
スグル->「おいおい、なんか向こうからも近づいてきたぞ・・・」
赤い風->「今度は何だ?」
yuu->「な、仲間を呼んでるんですか!?」
スグル->「あれは・・・人間?いや違う!」目が悪いので良く見えない
その瞬間、凄まじい爆音と共に、辺りがさもカメラのフラッシュを200ほど同時に炊いたような眩い光が放たれた。
その光は遠方から近づいていたものの正体をも映し出した。
スグル->「体中が血だらけだ・・・あれ、まさか・・・みや!!」
yuu->「・・・・え・・・。」
赤い風->「みやとは…お前の友人だな」
スグル->「あれ・・・みやか!?生きてたのか!?」(駆け寄ろうとする)
赤い風->「やめておけ、アレはもう人間ではない」
スグル->「離せよ!!」(振りほどこうとする)
yuu->(ちがう・・・・・・、あんなに出血して生きてる人間なんて・・・・。)
赤い風->「そうか、なら好きにするがいい。お前がその友人に殺されるのもお前の自由だ」そういってスグルを離す
スグル->「おい、おまえ・・・良かった・・・生きてたのか。」(そういってみやを触れようとする)
みやと呼ばれたその血まみれの男・・・もう既に人間ではないが・・・・、ただ・・・血が・・・・目から血が・・・・・。
yuu->「離れて!!早く!!!」
赤い風->「放っておけ、私は警告した。それを無視した報いだ」
yuu->(さっきのナイフ!!)
赤い風->「何をするつもりだ?」
yuu->「スグル!!ささっとどけ!!」(ナイフを構えながら)
yuuが動こうとした瞬間、みやにふれようとしていたスグルの目の前でタオルを硬いものに叩きつけたような硬い音がし、みやは数メートルほど真横にふきとんでいった
スグル->「!!?」
赤い風->「ったく世話を焼かせおって」
yuu->(な、なに!?)
yuuがナイフを握り締め振り向くと、そこには照明弾銃を構えた赤い風が立っていた。
赤い風->「お前がここでその友人に殺されるのも自由、だがそれで悲しむ人間がいる事を忘れるな」
yuu->「スグル君、早くこっち!!」(スグルの腕を掴んで)
スグル->「うわっ?」
赤い風->「さっさと逃げるぞ」
yuu->「・・・赤い風さん、ありがとう・・・。」
スグルはまだ正気を失っていたが、地面に倒れた友人がだんだん遠ざかっていくのだけは分かった。血を流し、彼の前に現れたのは紛れもなく・・・・。
走っている最中も友を失い、嗚咽を漏らすスグルに肩を貸すyuuの中で赤い風に対する何かが変わり始めていた。
偽りでも・・・まだそれさえもわからないが、赤い風という人物は悪人ではないのではないだろうか。。。そうyuuは思い始めていたのである。
赤い風->「私は放っておくつもりだったが……私の…ふっ…わからないな。でもこれだけは言える、yuuきみのお陰だ」
スグル->「みやは・・・やっぱり死んでたのか」
赤い風->「そうだ」
yuu->「・・・・・・(赤い風さん、なんか印象違う・・・・。)」
スグル->「・・・・。さっきは有難う。yuu、赤い風。でも、悪いけどちょっと一人にしといてくれ・・・」
yuu->「・・・あ、うん。わかった。」
赤い風->「何かあったらすぐに呼べよ」
とりあえず続く